第八回 全日本高校模擬国連大会

 2014年11月15日(土)-16日(日)、東京の国連大学におきまして、第八回全日本高校模擬国連大会が開催されました。本大会には全国133校(197チーム)からご応募いただき、盛会のうちに幕を閉じることができました。この場を借りて、参加者の皆様及び暖かいご支援・ご協力を賜りました方々 に心より御礼申し上げます。

日 程: 2014年11月15日(土)-16日(日)
会 場: 国連大学本部
議 題: 食料安全保障 (Food Security)
会議場: 食料安全保障サミット 2014 (2014 World Summit on Food Security)~�2050年の世界をどう養うか�(How to Feed the World in 2050)�~
議題解説書:GCJ2014BG.pdf

■会議紹介(文責:会議監督)

「食」は私たちに非常に身近な存在です。私たちは食べることなしに生きていくことはできません。しかし、日本にいる私たちにとって、食べたいものがいつでも手に入るというのは今日ではもはや当たり前のことで、その大切さを意識することはほとんどなくなっています。それでもなお、世界の人々にとって、この「食」が当たり前のものかというと決してそうではありません。世界の約70億人の人口のうち栄養不足人口はおよそ8億人。実に9人に1人が日々の食事に困っています。
 そして今、世界の食糧問題には深刻な将来予測が突きつけられています。世界の人口は2050年には90億人に達すると見込まれ、飼料やバイオ燃料など食用以外での使用の広がりも、世界全体の需要をさらに押し上げるとも言われています。一方で、技術開発など食糧の供給を増やす試みは継続的に行われているものの、農地や水といった地球上の資源の制約などが徐々に明らかになる中で、将来にわたってどのように食糧を確保し、どのように全世界の人々を養っていけるのかが問われ始めています。

 食糧問題を考えるとき、世界各国の立場は非常に多様です。食糧の一大生産国、輸出国がある一方で、その多くを輸入に依存する国、そもそも食糧が不足している国があります。また先進国、新興国、途上国という経済発展のレベルによって直面する問題も異なってきます。世界の様々な視点から食糧問題を捉えることで、その複雑さ、難しさ、そして奥深さが初めて見えてくることでしょう。
 その上で「食」を媒体として改めて問い直されるのは、日本の、そして自分自身の世界との関わり方ではないでしょうか。今後、世界の食糧需要が増えていく中で、日本の食糧確保は本当に安泰と言えるのだろうか?今この瞬間にも6秒に1人の子供が栄養不足で命を落としている世界の中で、日本にいる私たちが豊かな食生活を享受して平然と食べることはできるのだろうか?これらの問いは高校生に、自分と世界との接点を探るヒントを与えてくれるはずです。

 日々の生活と切っても切り離せない「食」を通じて、身近なトピックから、世界規模の問題を捉え、そして自らの関わり方を問い直す。高校生だからこそ、国際問題についての現実の議論をただなぞるだけではなく、自ら主体的に、全力でこの問題に取り組み、そして自由な発想で未来の地球の姿を描いていただきたい。そのような思いから本議題を設定しました。

■会議の流れ(文責:会議監督)

本会議では「2050年の世界をどう養うか」という議題のもと、①食肉消費、②バイオ燃料、③土地と水資源の持続可能性、④遺伝子組み換え食品を含む農業技術という4つの論点が設定されました。これらの論点を軸として、41カ国の代表により地球規模での長期的な食糧需給の安定に向けた議論が行われました。

〈会議A〉
 会議Aでは会議冒頭に議論の進め方について各国から様々な提案が出されました。その中では論点ごとに着席討議(MC: Moderated Caucus)を設けて議場全体で議論を進めていく方法などが提示され、各国代表の意見が割れました。結局自由にグループを形成して非着席討議(UC: Unmoderated Caucus)を中心に進める方法が議場の多数の支持を得ました。その後、先進国や新興国、途上国同士や食糧輸出国同士が集まるなどして、1日目終了時にWorking Paper (WP: 決議案と同じ形式の作業文書)が7本提出されました。
 2日目にはそれらを基に4本の決議案(DR: Draft Resolution)が提出されました。さらに修正案に向けた作業の中ではDR.2とDR.4のコンバイン(複数の決議の内容を統合し1つの決議とすること)を目指しましたが、提出の要件である全スポンサー国の賛同が得られず実現しませんでした。最終的にそれぞれのDRを改善した修正案が4本採択にかけられ、すべて過半数の賛成を得て可決されました。ただし、DR.3/rev.1については棄権が多く、賛成が反対を一票上回るという僅差での可決となり、決議ごとの支持の得られ方ではやや明暗が分かれました。

〈会議B〉
 会議Bでは議長から提案があった「論点ごとにグループ形成をして議論を深める」という提案が議場の大多数の支持を得て、これに従って会議が進行しました。実際に非着席討議(UC)のなかでは論点をベースにグループが形成され、Working Paperの作成が進められました。特定の1つの論点を取り上げたWorking Paperがそれぞれ一本以上提出されたほか、一部地域でまとまって作成したものなど計9本のWorking Paperが提出されました。
 また1日目終了時に決議案が1本(DR.1)提出されましたが、2日目にはそのスポンサー国も分散して結局DR.1は公式には配布されませんでした。結局それ以外に3本の決議案(DR.2~4)が作成され、そのうちDR.2とDR.4がコンバインして、DR.2/rev.1となり、DR.3/rev.1と合わせて投票にかけられました。投票の結果DR.3/rev.1でやや棄権する国が目立ったものの、両方の決議が可決されました。

■受賞校一覧

最優秀賞
会議A: Saudi Arabia大使         実践女子学園高等学校
会議B: Italy大使            桐蔭学園高等学校Aチーム
優秀賞
会議A: Germany大使          六甲高等学校
     Madagascar大使          聖心女子学院高等科Aチーム
会議B: Germany大使           渋谷教育学園渋谷高等学校
     United States of America大使   灘高等学校Aチーム
ベストポジションペーパー賞
会議A: Indonesia大使          聖心女子学院高等科Bチーム
会議B: Colombia大使          京都市立西京高校

報告書はこちらからご覧いただけます。